革の魅力
はじめまして!
革地屋と申します。
都内で靴やバッグ、その他革製品の修理やメンテナンスを行っております。
こちらでは革製品について皆様に役立つ情報などを書いていきたいと思います。
それでは革の魅力について私の思うところをですね、
異論がある方もいらっしゃるかと思いますが、最後までお読みいただければ幸いです。
では、
私が思うに革とは
この世界でも数少ない
「新品より良くなる可能性」
を秘めている素材だと思います。
生地、宝石、金属etc. いろいろありますが
長く使って新品より良い変化が起きるもの、、、
例えばアンティークの時計には独特の魅力があります。
が、それはキズや汚れも含めてファッション的(デザイン的)なものであり、素材が良い方向に変化したわけではありません。
まあ良くなっているとすれば、革のベルトは味が出ているかもしれませんが。
洋服もそう。
ダメージが加わったデニムなど確かに私も好きですし、革と同じ「育てる感」もありますが、それはファッション的(デザイン的)な好みの問題。
やはりダメージというだけあって素材自体が良くなるわけではない。
特に宝石の経年変化はキズでしかなくマイナスにしか働かないでしょう。
しかし、革は違います。
「艶が出る」「引き締まる」「馴染む」
上のブーツは私が15年履いたブーツです。
でも1つ重要なことは、あくまでも「良くなる可能性」という部分です。
絶対に「良くなる」わけでは無いのです。
使い続け、メンテナンスし続けることで「良くなる」わけです。
そうです。
「良くなる」は言い換えれば「良くする」なのです。
勝手に育ってはくれません。
なので何もしないでボロボロなのと大事に使われた革の味は違います。
ワークブーツやミリタリーブーツを好きな方に多い気がするのが、全く手入れをせずボロボロになった状態を「味が出てカッコイイ」とする。
それは味じゃないでしょ、と思う。
このボロボロのワークブーツについては前述したダメージのあるデニムやアンティークの時計と同じでファッション的な好みの違いが出ます。
でも味が出ている革は素材自体の艶が増して素材自体が新品より良くなっている。そこに好みは介在しない。
その味を育てるには日々のメンテナンスで長く使うことです。
日々のメンテナンスは
①表面の汚れを落とす
②クリームを塗って磨き。
③定期的に革の中まで洗って除菌を行うクリーニング。
傷んだ時には修理。
長く使うことでしか手にすることができない「価値」を生み出しましょう。
これは20年モノ!
これからメンテナンスやお役立ち情報などを提供していきたいと思いますので今後ともよろしくお願いいたします。
ちなみに、その他の良くなる可能性を秘めている素材は一部の木と、一部の金属。
木はアジが出て新品より艶が増している家具などがありますね。
また、金属の中では銀、銅、真鍮あたりでしょうか。開花堂の茶筒なんて良いですね。